自分の子供に胸を張れる仕事を。
救われる人が1人でも増えるようにエンジニア - 大岡

メドレーのエンジニアは、自身の専門領域を超え、縦断的にサービスに携わる者が多い。そのカルチャーを体現する人物が、フロントエンドエンジニアの大岡だ。

大岡は、2017年6月に入社し、オンライン診療アプリ『CLINICS』、クラウド型電子カルテ『CLINICSカルテ』を担当。フロントエンドに軸足を置きつつも、サーバサイドやiOS・Androidの開発まで幅広く手がける。

20代半ばに未経験からキャリアをスタートし、ソーシャルゲーム業界で腕を磨いた大岡。彼が今、医療業界で成し遂げようとする目標とは。

急成長を遂げる組織で得た、濃密な経験

エンジニア未経験で入社したのは、SIer。その業務のかたわら、スキルアップのために制作したアプリで、大岡はエンジニアとしての成功体験を得る。

「仕事で学んだスキルを活かし、自分が便利だと思うアプリを作ったんです。当時感じていた不便として、違う人に同じ内容のメールを送る習慣があったのですが、都度文章を作成するのが面倒だったので、定型文のメールを簡単に送れるアプリを作りました。すると、それが雑誌で取り上げられたんです。当時はとても興奮しましたね」

自身の経験から、エンジニアとして初めての成功体験を得た大岡。「もっとユーザと触れあえるアプリやサービスを作りたい」と、よりチャレンジングな環境を求め、ソーシャルゲームを開発・運営する当時急成長を遂げていたgloopsへ転職した。

当時のgloopsは、次々と新規プロジェクトが立ち上がり、組織は40人から500人へ拡大を遂げる最中。めまぐるしく変化する中、活躍の場を広げていく。

「はじめはサーバサイドのエンジニアとして入社しました。gloopsは手を上げれば誰でも機会を提供してくれる環境。経験がなくても積極的に手を上げ続けた結果、入社数ヶ月で、新規プロジェクトのメインエンジニアを担当させてもらえるようになりました。いくつかのプロジェクトを担当した後、スマートフォンの台頭を感じてフロントエンドへ転向。技術を深めていきました」

専門領域を広げながら、多種多様なプロジェクトを経験した大岡。「変化が激しく覚えきれない」と語るほど濃密な経験から学んだのは、わかりやすい技術だけではなかった。

「プロジェクトにはエンジニア以外にもデザイナーやプランナー、イラストレーターなど、幅広い職種の人たちが関わります。その中では、エンジニアも与えられた仕事をこなすのではなく、プロジェクト共通のゴールを達成するために何をすべきかを考えなければいけない。チーム内で積極的に意見を交わす姿勢は、この時期に身体に染みついた気がしますね」

医療への課題意識の芽生え

専門性も高まり、エンジニアとしての経験も積み上がっていく中、大岡は徐々に次のステージを考えはじめた。そんな中偶然見つけたのが、中学時代の同級生だったエンジニア稲本の記事だった。

「正直、医療はまったく意識していませんでした。ただ、記事を読む中で医療系のエンジニアがどういう仕事をしているのか興味を持ち、稲本に連絡したところランチに誘われたんです」

稲本から聞いたメドレーの“納得できる医療の実現を目指す”というビジョンに、大岡は自身の経験を思い出し、強い共感を覚えた。

「以前、親が病気になったとき、これからどうなるのかと、とても不安でした。子どもが急に体調を崩し、心配する機会も多かった。医療業界を遠い存在のように感じていましたが、医療に対する不安は日常の中に存在すると改めて気づいたんです」

オンライン診療のように、より素早く適切な医療を受けられる仕組みがあれば、自身を含め救われる人は絶対にいる。その実現に貢献できるなら——と大岡は考えた。

「いつか、自分の子どもに『パパがこれ作ってるんだよ』と胸を張って言いたい。そんな未来が目に浮かび、メドレーへの入社を決めました」

隣接する技術を知ることで、フロントエンド領域の専門性をさらに高める

入社後、大岡はオンライン診療アプリ『CLINICS』の開発を担当。現在は『CLINICSカルテ』でクライアント側の改善に従事する。サービスに携わり、医療従事者、患者の双方が抱える課題を知っていく中、大岡は改めてエンジニアの視点で、この領域に挑む意義を強く感じているという。

「医療関連のシステムはデータの形式や規格等が統一されていないことが多い。結果システムが複雑になり、システムの移行や、新機能実装の難易度が上がってしまっている。まずはそのスタンダードを作り、より良い医療へのインフラを整えなければいけません」

課題解決には、あらゆる技術が求められる。大岡はメドレーで、サーバサイドからフロントエンド、iOS・Androidの開発など領域を縦断し経験を積み重ねた。

しかし、本人は自分を「フルスタックエンジニア」と呼ぶのは違和感があるという。「『フルスタックになりたい』と意識したことはなく、むしろこれが普通だと思ってやってきました。得意とするフロントエンドを軸に、隣接する技術にも手を出せば、フロントエンドをより良くできる。フルスタックではなく、あくまでフロントエンドだという意識です」

ただ、個人が自由度を持ち縦断的に開発したいと考えても、組織にそれを許容する文化がなければ実現しない。大岡は、こういった組織文化も大きく影響していると考える。

「メドレーには各領域に精通したメンバーがおり、お互いにプルリクエストを出しコードレビューをする文化もある。むしろ僕と同じような考え方のメンバーが多く、お互いの専門領域をカバーしつつ、より良いプロダクトを作ることを前提に考えている気がします」

目的を達成するために、領域を超える。メドレーに根付くカルチャーは、大岡が前職から一貫して追求してきたエンジニア像とも重なる。

「gloopsではエンジニアが『最後の砦』と呼ばれ、他の職種に意見するのが当たり前でした。エンジニアは、上から降りてきたものをただ形にする仕事ではありません。本当に世に出すべきか、最後にジャッジする存在でなければいけない。僕は、自分が『使いづらい』と感じるものを、絶対に世に出したくない。それを防ぐためなら、他の領域だろうと職種だろうと越境し、より良いサービスのために全力を尽くしたいんです」

Interview, edit: Kazuyuki Koyama (weaving inc.)
Write: Haruka Mukai
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Date: OCT 2018  
本記事の組織名、内容等は取材当時のものです
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