医療ヘルスケア領域の人材不足へのアプローチ

医療介護現場の人材不足という課題には、大きく 2 つの側面があります。
1 つが医療介護従事者の絶対数の不足。もう 1 つが地域偏在の問題です。これらの課題を解決するため、メドレーでは「ジョブメドレー」という医療介護分野の人材プラットフォームの展開に取り組んでいます。私たちは、以下のようなアプローチをジョブメドレーの事業モデルに組み込んでいます。

絶対数の不足

医療ヘルスケア分野は、どの地域・どの病院・どの事業所でも人材不足の課題を抱えています。例えば医師数。人口 1,000 人当たりの臨床医師数を OECD のデータ*1から比較してみると日本は 36 ヶ国中 28 位。G7 の中では最低で 2.4 人しかいません。絶対数が不足しているため、ほとんどの病院は常に医師不足に悩んでいます。

こうした人材不足は、医師だけに限った問題ではありません。看護師や介護職/ヘルパー、保育士など、医療ヘルスケアに関わるほぼ全ての職種で長きにわたり発生しています。こうした慢性的な人材不足により、医療ヘルスケアに従事されている方は長時間勤務やハードワークを余儀なくされています。その結果として、キャリアの形成や育児・介護との両立などが難しくなり、医療介護現場からの離職が増加し、さらなる人材不足が加速するという悪循環に陥っています。

では、どうすれば私たちは、この悪循環を打開できるのでしょうか。私たちは、解決のための重要な取り組みの一つとして、資格を持ちながらも現在は働いていない、「ブランク明けの復職支援」にあると考えています。医療ヘルスケア分野では女性の活躍が目立ちますが、結婚・妊娠・出産・子育てなどのライフステージの変化により一定の期間現場を離れると、短時間勤務が可能な職場を探すのが難しかったり、現場で使われる技術や製品の変化についていけないのではないかという不安を感じることで、なかなか復職できていない方が数多く存在しています。

ジョブメドレーでは、こうした方々が復職しやすいよう、子育て支援や時短勤務制度など、ライフステージの変化に応じた働き方が選べる職場や、復職後の教育環境の充実化に力を入れている職場の求人等を数多く掲載しています。ただし、このような求人に対して、採用する事業者側としては大きなコストをかけられません。したがって、こうした求人を日本全国から幅広く集めるため、ジョブメドレーではできる限り求人を掲載しやすくするよう、採用費を業界標準に比べて圧倒的な低価格に抑えることに尽力しています。その結果として、ご利用頂いている事業所数は医療介護領域において日本最大級となっており、結果として多くの復職の実現をサポートしています。

都市への偏在

医療ヘルスケア分野においても、職に対する個々人の意思決定自由度が高まるなかで、都市への偏在が加速しています。
さまざまな検索媒体で求人を調べると、都心部の施設の求人が目につき、より人材不足で困っている地方の施設の求人がなかなか認知されづらい状況にあります。この状況は、それぞれの施設が新しいアクションを起こさず、従来通りの「待ち」の採用をしていては、ますます悪化してしまうでしょう。多くの医療介護領域の求人掲載が知名度や地域に関わらず認知されるようになり、さらにはそれぞれの施設が積極的な採用活動が可能な「場所」を作らなければいけません。

そうした背景から私たちは、一つ一つの施設が、自分たちの魅力を自分たちの言葉で伝えて日本全国にいる人材を惹きつけることができるよう、私たちはジョブメドレーを通じて、ダイレクト・リクルーティングが可能な人材のプラットフォームを築きました。

特に医科領域に注力をしてスタートしたジョブメドレーですが、現在は歯科・介護・保育・その他ヘルスケア領域と順に対象を広げ、現在では 17 万を超える事業所の方々に活用いただけるサービスに成長しました。今後もサービスの拡充に取り込み、数多くの求職者と事業所の出会いをサポートしていきます。

*1 OECD Data: Doctors

Date: JUNE 2019
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