被災地におけるオンライン診療

2011年に起きた東日本大震災により、福島県では12市町村に渡る避難指示が行われ、その地域の医療体制は一度失われてしまいました。その中にある南相馬市小高区は2016年7月に避難指示が解除されたエリアで、住人の帰還が進みつつありましたが、帰還者の多くは高齢者であり*1、身体・交通の事情から通院が困難なため在宅医療を必要とする患者も少なくありませんでした。一方で、地域の中核病院となる小高病院は、常勤医師1人・非常勤医師3人が交代で運営している状況で、在宅医療患者への対応が課題となっていました。

こうした背景を受けて、南相馬市は2017年5月より、小高病院にて在宅医療を必要とする患者を対象としたオンライン診療を実施することにしました。医師がオンライン診療による対応を可能と判断した場合に、看護師がタブレット端末を持ち患者宅に訪問し、医師はタブレット越しに診療を行うという形でのオンライン診療の活用です。在宅医療における医師の移動時間が削減されることで、対応可能な患者数が増加し、地域の医療提供体制の強化につながることを期待されています。

首相官邸訪問の際はメドレーから実際の取り組みを紹介し、実際に安倍総理大臣にオンライン診療を体験いただくなど、その実用可能性について報告しました。

*1 小高区の高齢化率は53.7%(2017年4月現在)。全国平均は26.7%(2015年10月現在/平成28年版高齢社会白書より)
Date: JUNE 2019

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