一度は退職して、起業。
それでもメドレーに戻った理由インキュベーション本部・事業企画室長 - 稲葉

20名規模だったメドレーに入社し、常に組織の難題と向き合い、成長を支えてきた人物がいる。現在、インキュベーション本部・事業企画室長を務めながらグループ会社の社長として経営にも奔走する稲葉だ。

稲葉は、一度はメドレーを去ったにもかかわらず、2017年に復帰した“出戻り”のメンバーでもある。メドレーに戻ろうと思った彼の熱意から、現在率いているチームの裏側までを訊いた。

ユーザーの課題と直接対峙する環境を求めて

稲葉は、SIerでのJavaエンジニア、アクセンチュアでのITコンサルタントを経て、2013年にメドレーに参画。当時20名規模だったメドレーで、人材採用システム『ジョブメドレー』をプロダクトマネージャーとして牽引した。

「長年、テクノロジーで社会課題を解決したいという想いを持って働いていたのですが、コンサルや受託では、どうしても大企業の課題解決が中心になってしまい、直接エンドユーザーの顔が見えにくい。ユーザーの課題と直接向き合える環境を探すなか、たまたま出会ったのがメドレーだったんです」

稲葉が最も共感したのは、メドレーが描いていた中長期の戦略だった。ジョブメドレーを基軸に顧客基盤を構築。そのなかで、医療ヘルスケア領域での課題を理解し、そのソリューションとしてさまざまなプロダクトを展開していくというストーリーだ。

この戦略の中核となる事業の成長に、稲葉は奔走することとなった。入社後、最初に取り組んだのは、マーケティングの実務。SEOやリスティング広告の運用など、SIerやコンサル時代には、経験のない実務も少なくなかった。しかし、そこにも臆することなく、コンサル時代の経験を抽象化し応用していった。

「コンサルタントは自分がやったことのない業務に対し、戦略や指針をつくり、お客様に提案していく仕事です。これは見方によって良くも悪くも捉えられるのですが、ジョブメドレーではさまざまな場面でこの経験が活きました。

例えば、自分で求人原稿を書いたこともないのに、求人原稿作成ガイドをつくり『こう書きましょう』と伝えるとか。現状とその課題を明確にして、目指す姿を描き、そこに至るまでのアプローチを考えて実行する。コンサル時代にやってきたことを、数倍のスピードで、少人数で回していくイメージでした」

退職、起業。それでもメドレーに戻った理由

結果、事業は順調に伸びていった。

組織も拡大する中、徐々に自ら手を動かすよりチームを動かす業務が増えていく。気づけば社員数も50名を超えた頃、稲葉は少しずつ、次の道を考えはじめた。というのも「再び、小さな会社で働きたい」という気持ちが芽生えてきたからだ。

小規模ならではの、自ら手を動かす必要性や、ユーザーとの距離感が心に強く残っていた。また、今度は自ら代表として事業を創りたいという気持ちもあったという。そこで、2015年にメドレーを退社し、起業の道を選んだ。

取り組もうとしたのは、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)のSaaSプロダクト。業務フローをビジュアルで設計し、ソースコードを自動生成するツールの開発だ。しかし、その道は一筋縄ではいかなかった。

「研究やリサーチに時間を使いすぎてしまったんです(笑)。私自身、勉強や研究が好きというのもあり、立ち上げの前段階に時間を掛けるばかりで、なかなか形にならなかった。結果、キャッシュアウトしかけてコンサルで食いつなぐ状態になり、再び道を考えなおすことになったんです」

選択肢はいくつもあったはずだ。コンサルに軸を置くことも、事業のピボットも考えられただろう。その中で、稲葉は再びメドレーへ戻る道を選ぶ。偶然にも、このタイミングで瀧口から声を掛けられたのがきっかけだった。

「もし、またどこかの会社で働くとしたら、メドレーしかないとは思っていました。自分がいない間に優秀で個性的なメンバーも増え、医療現場の中核に踏み込む『CLINICS』というプロダクトもリリースしていた。またメドレーで働きたいと、純粋に思ったんです」

コンサル経験者が集う全社横断組織の立ち上げ

復帰した稲葉を待ち受けていたのは、社内のさまざまな領域が抱える「課題」の数々だった。

まずは、ジョブメドレーのマーケティング業務の再構築と、その自動化。次に、全社横断のマーケティング組織「カスタマーマーケティング室」の立ち上げ。さらには、医療につよい介護施設・老人ホームの検索サイト『介護のほんね』事業のグロース。

「社内で発生する難題を、次々と解くのが役割になっていましたね」と稲葉は振り返る。

それにひとつの形が与えられたのが、2019年に室長に就任した社長室だ。ここでは、ITコンサル出身者など、課題解決能力に長けた少数精鋭のメンバーとともに、社長からの特命案件を担当。部門や事業の枠組みを超え、その時々で重要性の高いイシューに取り組む。

新規事業の立ち上げや既存事業の改善、M&A、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)、他社とのアライアンス、事業部横断プロジェクトなど、取り組むテーマは多岐にわたった。

「社長室での仕事は、さまざまなイシューを整理しその解決を推進していくことでした。そこには、汎用的な課題解決能力が求められます。所属するメンバーは、スキルの共通項はなくとも、自らの頭を使って仕事をしてきた面々が集まりました」

つまり、稲葉が次々と役割を変え担ってきたことが、ひとつのチームで取り組む体制になった。ただ、稲葉自身もプレイヤーとして現場を支える。いま向き合うのは、グループ化した診療所向けの基幹システムを開発する会社のPMIだ。

「現在はそのグループ会社の社長を兼務し、メンバーの力を借りながら、開発体制やガバナンス体制の構築、中期経営計画の策定と実行を進めています。ここで扱う診療所向け基幹システムは、社会的な意義が非常に大きいプロダクト。経営面を安定させ、サステナブルにプロダクトを開発し続ける体制作りは、数年掛けてでも取り組む価値があるものだと感じています」

手を動かしながら、現場の課題一つひとつと向き合い続ける稲葉。コンサルでの経験や、一度はメドレーを離れ自らプロダクト作りに向き合ったからこそ、今の環境・組織の意味を立体的に捉え、以下のように評する。

「社長室に所属していたメンバーは、現在は各プロジェクトに分かれて活躍していますが、どのメンバーも大きな課題に対し自ら現場に入り込み、戦略の策定から実行までを一貫して担っています。都度発生する組織課題やプロジェクトに対して、常に高い要求水準が求められるこの環境は、私たちにとってほど良い “無茶ぶり” であると同時に、常におもしろい仕事に取り組めるということでもあります。

加えて、メドレーでは社会を変えるプロダクトを作る壮大なチャレンジをしていて、その実現のためにあらゆるスキルを駆使します。常に成長が求められる環境の中で、社会的な意義と新しい課題への挑戦機会もある。このバランスが、自分にはマッチしているんです」

Edit,Interview: Kazuyuki Koyama
Text: Kotaro Okada
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Date: FEB 2020
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